
先に結論
この記事の結論
- ロレックス以外の時計も、店頭で見る所は6つ(文字盤の印字・ケースと裏蓋の刻印・保証書と番号・ベルトとバックル・リューズとガラス・動き)。1か所だけで決めない
- 保証書が付いていても、時計の刻印と番号が合うかを見る。番号が合うのは入口で、それだけでは基準内とは言えない
- 迷った品は、その場で値段を言わない。預かるか、写真で時計の専門業者に聞く
- 買えない時は偽物と言わない。当社の査定基準で基準外、と伝える
オメガやカルティエなど、ロレックス以外の高級時計が店頭に来た時は、文字盤・刻印・保証書の番号・ベルト・リューズ・動きの6つを合わせて見ます。
1か所だけで決めず、迷ったら値段を言わずに、預かるか専門業者に写真で聞きます。
この記事は、品物を買い取る業者の方に向けて書いています。
持ち主の方が自分の時計を確かめるための記事ではありません。
店頭のスタッフが、迷った時に同じ順番で見て、同じ言葉で伝えられるようにまとめました。
ロレックスは別の記事に書いています。
時計は、年々、偽物が精巧に作られています。
新しいモデルも次々に出るので、スタッフ全員が全モデルを覚えるのは現実的ではありません。
見る所を決めておき、迷った品だけ外の力を借りる形が、店にとって楽です。

店頭で見る6つの所
下の表を、そのまま店頭の確認表に使えます。
どれか1つが気になっても、そこで決めずに6つ全部を見ます。
モデルや年代で作りが変わるので、1か所の違いだけでは判断できないためです。
| 見る所 | 何を見るか | 写真の撮り方 |
|---|---|---|
| ① 文字盤の印字 | ロゴと文字の縁・字体と間隔・インデックスの作り・日付窓の位置(拡大して見る) | 真上から寄って1枚。斜めから光を当てて、印字の縁が分かる1枚 |
| ② ケースと裏蓋の刻印 | ブランドの刻印・リファレンスやシリアルの位置と深さ・磨かれて刻印が薄くなっていないか | 裏蓋の全体と、刻印の寄りを1枚ずつ。ラグの側面も |
| ③ 保証書と番号 | 保証書の番号と、時計に刻印された番号が同じか。購入日や販売店の記載 | 保証書の番号が読める寄りと、時計の刻印の寄りを同じ画面に並べて |
| ④ ベルトとバックル | コマやバックルの刻印・留め具の作り・ベルトの縫製や金具の質感 | バックルの表と裏。ベルトの内側の刻印も |
| ⑤ リューズとガラス | リューズのマークの彫り・ガラスの縁の処理・ガラスの傷 | 横から見たリューズ。ガラスは映り込みを避けて斜めから |
| ⑥ 動き | 秒針の動き方・日付の切り替わり・時刻合わせの手応えが、そのモデルと合うか | 動画で数秒。秒針と日付窓が入るように |

文字盤はきれいだけど…

1か所だけで決めず、6つ全部を合わせて見ます
裏蓋は店頭で開けない
中の部品を見るために裏蓋を開けるには、専用の道具と技術が要ります。
開けると防水が保てなくなることもあります。
店頭では開けずに、外から見える所と、写真で聞く形で判断します。
当社の査定基準で基準外と判断した品

公式で確かめた番号の場所
番号の場所は、ブランドごとに決まりがあります。
オメガとカルティエについて、公式サイトに書かれている内容を表にしました。
| ブランド | 番号の場所 | 保証書に書かれる内容 |
|---|---|---|
| オメガ | 現行モデルは、裏蓋かラグに刻印。古いモデルは、裏蓋の内側とムーブメントに刻印 | シリアルナンバー(8桁の数字か7桁の英数字)・リファレンス番号・購入日・販売店の名前と住所 |
| カルティエ | 裏蓋に刻印 | シリアルナンバー(Cartier Careへの登録にも使う) |
カルティエは、ケースに刻印された製造番号が削除されていたり、読めなかったりすると、国際保証の対象外になると案内しています。
番号が薄くなっていたり、削られた跡があったりする時は、迷った品として扱います。
オメガは、正規の販売店以外で買った時計について、破損や偽造品の可能性があり、保証も受けられないことがある、と案内しています。
持ち込まれた時計の出どころは、買取の時に聞いて記録しておきます。

番号が合うのは入口です。ほかの見る所と合うかを見ます
保証書は時計とは別の紙
保証書は時計と別に持ち運べます。
保証書があるだけで安心せず、書かれた番号と時計の刻印が同じかを見ます。
保証書の写真は、番号が読める寄りで撮ります。
出典:OMEGA公式サイト(日本)「ブランドと製品について」/カルティエ公式サイト「ウォッチのサービスとお手入れ」・「国際保証」。
ほかのブランドの番号の場所は、この記事では確かめていないので書いていません。
迷った時はその場で値段を言わない
時計は、相場が上がっています。
高額な品ほど、間違えた時の損は大きくなります。
一方で、定番のモデルは買取価格がおおよそ決まっていて、利幅は取りにくい品です。
1本の間違いで、何本分もの利益が消えることがあります。
だからといって、怖さから買取価格を安く言うと、お客様はキャンセルします。
悪い評判が立つ、という悪い流れになりがちです。
迷ったまま値段を言わないで、次の流れで進めます。

1迷った品が来た
26つの見る所を全部見る1か所だけで決めない
店の基準で値段を伝える見慣れた品は、いつも通りに
その場で値段を言わない
- お預かりにする
- 写真で専門業者に聞く
- 今回は見送る

買えない時は偽物と言わず「当社の査定基準で基準外」と伝える
「いいえ」の時は、次の3つのどれかにします。
- お預かりにする確かめてから連絡します、と伝えます。預かり書を書いてもらい、連絡の方法と何日以内かを、その場で話します。
- 写真で専門業者に聞く下の撮り方で撮って、時計の専門業者に見てもらいます。見立てと値段がそろってから、お客様に伝えます。
- 今回は見送る店の基準で決められない時は、理由を添えてお返しします。言い方は、この下の章に書きました。
写真で聞く時の撮り方
写真で聞く時は、相手が実物を手に取れません。
撮った写真がすべてです。
次の順番で撮ると、同じことを何度も聞き返されずに済みます。

撮る場所は、アプリが案内します
- 商材を選ぶ衣類・バッグ・時計・筆記具・ライターなど
- 案内の順に撮る撮った所の名前が写真の下に付く
- 足りない所が分かる「まだ撮っていない所」に残りが出る
- 全体の正面と、横から平らな台の上で、ベルトをまっすぐにして。リューズと厚みが分かる横からの1枚も。
- 文字盤の寄り真上から1枚。斜めから光を当てて、印字の縁が分かる1枚。
- 裏蓋の全体と、刻印の寄りシリアルとリファレンスが全部読める近さで。
- 保証書と付属品番号が読める寄りで。箱・コマ・余りのベルトがあれば一緒に。
- バックルとベルトの内側表と裏。刻印が読める寄りで。
- 動きの動画と、傷秒針と日付の切り替わりを数秒。ガラスの傷とケースの傷は寄りで。
時計はガラスが光を返すので、真正面から撮ると自分の影が写ります。
窓の近くの白い明かりの下で、少し斜めから撮ります。
ピントが合っているかを、撮った後に指で広げて確かめます。
査定お任せくんでは、専門業者が足りない写真を頼む時、撮る場所(正面・背面・内側・ロゴ・刻印・金具・傷や汚れなど)を選んで送ります。
店は、頼まれた所だけを撮り足せば済みます。
基準外の時の店の対応
基準外の時に一番もめるのは、言い方です。
お客様は、基準外と言われると、偽物だと言われたと受け取りがちです。
ブランド品が本物かどうかを法的に鑑定できるのは、慣習としてブランド自身か、ブランドから権限を受けた者とされています(一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカン)。
店が出すのは、店の基準での判断です。
だから偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外、と伝えます。
出典:一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカン「見分け方・鑑定について」
| 場面 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 真贋の確認がつかない | 当社の査定基準で、確認がとれない所がありました。今回は買取をお受けできません。 |
| 番号や刻印が読めない | 刻印が薄く、保証書の番号と照らし合わせられません。当社の基準では、今回は買取をお受けできません。 |
| 真贋の理由を詳しく聞かれた | どの点が基準に届かないかは、店の基準なのでお伝えしていません。メーカーの判断ではありません。 |

偽物ですか?と聞かれたら…

偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外と伝えます
不正品の疑いがある時と、売りに出す時
古物商は、買い受けや交換・委託を受ける時に、不正品の疑いがあると認めたら、直ちに警察官に申告する決まりです(古物営業法 第15条第3項)。
偽物の疑いの品をどう扱うかは、管轄の警察署の防犯の係に前もって確かめておくと迷いません。
買い取った後に、真贋の点で基準外と判断した品は、売りに出しません。
登録商標またはこれに類似する商標を付けた偽物を、売る・渡す・輸出するために持つことは、商標権の侵害とみなされることがあります(商標法 第37条第2号)。
迷ったらその商材の専門業者へ
時計は、ブランドもモデルも多く、全部を自分で決める必要はありません。
迷った品だけを、時計を扱う専門業者に写真で聞けば、店は見送らずに済みます。
査定お任せくんの画面で見る流れ
1写真を送る

撮る場所はアプリが案内
2専門業者が真贋と値段

その商材に強い専門業者が写真で見る
3選んで卸す

売り先を探さずそのまま専門業者へ
査定お任せくんは、買取店が撮った写真を、その商材の専門業者が見る仕組みです。
当社の基準で基準内か基準外かの見立てと、確かめた所が届きます。
値段も同じ画面に届きます。
売ると決めたら、その専門業者にそのまま送ります。
見立ては専門業者の意見で、ブランドの公式の鑑定ではありません。
自分で見る場合との違いを、表にしました。
| 比べる軸 | 自分とスタッフで見る | 専門業者に聞くお任せくん |
|---|---|---|
| 真贋を誰が見るか | 店のスタッフ | その商材に強い専門業者 |
| 売り先 | 自分で探す | 値段を付けた専門業者に、そのまま卸せる |
| 待つ時間 | その場 | 専門業者の営業時間で違う |
| モデルが新しい時 | スタッフが調べる | 専門業者が見る |
| 向く場面 | 見慣れた時計だけを扱う | 見慣れない時計・高額な時計が来る |
時計は、専門業者がそろった順に、先行登録の順にご案内します。
いま依頼できるのは専門業者が決まった商材だけで、まだ多くありません。
よくある質問
ロレックス以外の高級時計は、何を見ればいいですか?
文字盤の印字・ケースと裏蓋の刻印・保証書と番号・ベルトとバックル・リューズとガラス・動きの6つを合わせて見ます。
1か所だけで決めません。
保証書の番号が時計と合っていれば、基準内ですか?
番号が合うのは入口です。
保証書は時計とは別の紙なので、ほかの5つの見る所と合わせて見ます。
オメガとカルティエの番号は、どこにありますか?
オメガの現行モデルは裏蓋かラグに刻印があり、保証書にも書かれます。
カルティエは保証書に記載され、裏蓋にも刻印されています(各社の公式サイトの案内)。
お客様に偽物ですかと聞かれたら?
偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外です、と伝えます。
店が出すのは店の基準での判断で、ブランドの鑑定ではないためです。

