
先に結論
この記事の結論
- 店頭で見る所は6つ(ワッペン・コミックラベル・品質表示のタグ・認証コードのタグ・ファスナー・ダウンと縫製)。1か所だけで決めない
- 公式サイトで認証コードが通っても、それだけで基準内とは言えない
- 迷った品は、その場で値段を言わない。預かるか、写真で衣類の専門業者に聞く
- 買えない時は偽物と言わない。当社の査定基準で基準外、と伝える
モンクレールは、店頭で真贋に迷いやすい品の1つです。
ダウンは秋冬にまとめて持ち込まれます。
忙しい日に、見慣れないモデルが来ることもあります。
この記事は、品物を買い取る業者の方に向けて書いています。
持ち主の方が自分の品を確かめるための記事ではありません。
店頭のスタッフが、迷った時に同じ順番で見て、同じ言葉で伝えられるようにまとめました。
店頭で見る所は6つ
下の表を、そのまま店頭の確認表に使えます。
どれか1つが気になっても、そこで決めずに6つ全部を見ます。
モデルや年代で作りが変わるので、1か所の違いだけでは判断できないためです。
| 見る所 | 何を見るか | 写真の撮り方 |
|---|---|---|
| ① 袖のワッペン | 色味・フェルトの質感・刺繍の立ち方・縁と角の処理・縫い付けの糸 | 正面から寄って1枚。斜めから光を当てて、刺繍の凹凸が分かる1枚 |
| ② コミックラベル | 質感・角の切り方・印刷の色味とにじみ | ラベル全体が入るように、まっすぐ上から |
| ③ 品質表示・洗濯表示のタグ | 印字の字体と間隔・縫い付けの位置・代理店の表記の有無 | 表と裏を1枚ずつ。文字が読める近さで |
| ④ 認証コードのタグ | QRコードと英数字のコードがあるか。公式サイトでの照会の結果 | コードの文字が全部読める寄りの1枚 |
| ⑤ ファスナー | 引き手と務歯のメーカーの刻印・形・動きの滑らかさ | 引き手の表と裏。刻印が読める寄り |
| ⑥ ダウンと縫製 | 重さ・ふくらみの戻り・ダウンの偏り・縫い目の間隔とほつれ | 全体の正面と背面。気になる縫い目の寄り |

ワッペンだけ、少し違う気がする…

1か所だけで決めず、6つ全部を合わせて見ます
代理店のタグが無くても基準外とは限らない
国内の正規代理店を通った品には、代理店名の入ったタグが付いていることが多くあります。
並行輸入の品には、正規代理店のタグは付きません(輸入した業者の表示が付くこともあります)。
タグが無いことだけで、基準外にはしません。
ほかの5か所と合わせて見ます。
当社の査定基準で基準外と判断した品

認証コードは入口。通っても決めない
近年のモデルには、商品ごとの英数字のコードとQRコードが付いたタグがあります。
モンクレールが運営する公式サイト(code.moncler.com)で照会できます。
モンクレールの報告書では、2016年の春夏コレクションから、この仕組みを入れたとしています。
ただし、照会が通ることは入口にすぎません。
本物の番号を写したタグが付いた品がある、という指摘があります。
照会が通っても、①〜③と⑤⑥の見た所と合わない時は、迷った品として扱います。
古いモデルには、このタグがありません。
タグが無いことも、それだけでは決めません。

照会が通っても、ほかの見る所と合うかを見ます
照会の結果は、写真と一緒に残す
照会した画面を撮っておくと、専門業者に聞く時にそのまま渡せます。
買い取った後に確かめ直す時の記録にもなります。
迷った時はその場で値段を言わない
迷ったまま値段を言うと、後で下げる時にもめます。
店頭で迷った時は、次の流れで進めます。

1迷った品が来た
26つの見る所を全部見る1か所だけで決めない
店の基準で値段を伝える見慣れた品は、いつも通りに
その場で値段を言わない
- お預かりにする
- 写真で専門業者に聞く
- 今回は見送る

買えない時は偽物と言わず「当社の査定基準で基準外」と伝える
「いいえ」の時は、次の3つのどれかにします。
- お預かりにする確かめてから連絡します、と伝えます。預かり証を出し、日時と連絡先を控えます。
- 写真で専門業者に聞く下の撮り方で撮って、衣類の専門業者に見てもらいます。見立てと値段がそろってから、お客様に伝えます。
- 今回は見送る店の基準で決められない時は、理由を添えてお返しします。言い方は、この下の章に書きました。
写真で専門業者に聞く時の撮り方
写真で聞く時は、相手が実物を手に取れません。
撮った写真がすべてです。
次の順番で撮ると、同じことを何度も聞き返されずに済みます。

撮る場所は、アプリが案内します
- 商材を選ぶ衣類・バッグ・時計・筆記具・ライターなど
- 案内の順に撮る撮った所の名前が写真の下に付く
- 足りない所が分かる「まだ撮っていない所」に残りが出る
- 全体の正面と背面ハンガーに掛けて、平らな壁の前で。床に置くと形が崩れます。
- 袖のワッペンの寄り正面から1枚。斜めから光を当てて、刺繍の凹凸が分かる1枚。
- 内側のラベルとタグを全部コミックラベル・品質表示・洗濯表示・代理店のタグ。表と裏。
- 認証コードのタグ英数字が全部読める寄り。照会した画面があれば一緒に。
- ファスナーの引き手表と裏。刻印が読める寄り。
- 傷・汚れ・におい袖口・襟・脇の汚れは寄りで。においは写真に写らないので、メモで添えます。

1枚に写すのは1か所だけ。白い明かりの下で撮ります
撮る時は、昼の窓の近くか、白い明かりの下で撮ります。
黄色い明かりは、ワッペンの色味が変わって見えます。
1枚に写すのは1か所だけです。
ピントが合っているかを、撮った後に指で広げて確かめます。
査定お任せくんでは、専門業者が足りない写真を頼む時、撮る場所(正面・背面・内側・ロゴ・刻印・金具・傷や汚れなど)を選んで送ります。
店は、頼まれた所だけを撮り足せば済みます。
基準外の時の店の対応
基準外の時に一番もめるのは、言い方です。
お客様は、基準外と言われると、偽物だと言われたと受け取りがちです。
ブランド品が本物かどうかを法的に鑑定できるのは、慣習としてブランド自身か、ブランドから権限を受けた者とされています(一般社団法人ユニオン・デ・ファブリカン)。
店が出すのは、店の基準での判断です。
だから偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外、と伝えます。
| 場面 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 真贋の確認がつかない | 当社の査定基準で、確認がとれない所がありました。今回は買取をお受けできません。 |
| 傷みや付属で基準に届かない | 袖口の汚れが、当社の基準を超えています。今回は買取をお受けできません。 |
| 真贋の理由を詳しく聞かれた | どの点が基準に届かないかは、店の基準なのでお伝えしていません。メーカーの判断ではありません。 |

偽物ですか?と聞かれたら…

偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外と伝えます
基準外の理由が真贋か、傷みかを分けて伝えると、お客様も納得しやすくなります。
傷みが理由なら、どこが基準を超えたかを見せて構いません。
不正品の疑いがある時と、買い取った後に気づいた時
古物商は、買い受けや交換・委託を受ける時に、不正品(盗品などの疑いの品)の疑いがあると認めたら、直ちに警察官に申告する決まりです(古物営業法 第15条第3項)。
偽物の疑いの品をどう扱うかは、管轄の警察署の防犯の係に前もって確かめておくと迷いません。
買い取った後に、真贋の点で基準外と判断した品は、売りに出しません。
もし登録商標またはこれに類似する商標を付けた偽物であれば、売る・渡す・輸出するために持つことは、商標権の侵害とみなされることがあります(商標法 第37条第2号)。
疑いのある品も売りに出しません。
お客様への連絡は、買い取った時の記録(写真・本人確認・取引の日時)をそろえてから行います。
迷ったらその商材の専門業者につなぐ
モンクレールを見慣れていない店で、全部を自分で決める必要はありません。
迷った品だけを、衣類を扱う専門業者に写真で聞けば、店は見送らずに済みます。
査定お任せくんの画面で見る流れ
1写真を送る

撮る場所はアプリが案内
2専門業者が真贋と値段

その商材に強い専門業者が写真で見る
3選んで卸す

売り先を探さずそのまま専門業者へ
査定お任せくんは、買取店が撮った写真を、その商材の専門業者が見る仕組みです。
商材によって、当社の基準で基準内か基準外かの見立てと、確かめた所が届きます。
値段も同じ画面に届きます。
売ると決めたら、その専門業者にそのまま送ります。
見立ては専門業者の意見で、ブランドの公式の鑑定ではありません。
シュプリームなど、ほかのブランドの衣類も同じ流れで見ます。
真贋を外の力で確かめる方法の比べ方は、真贋鑑定・真贋判定の選び方にまとめました。
よくある質問
代理店のタグが無いモンクレールは基準外ですか?
それだけでは決めません。
並行輸入の品には、正規代理店のタグは付きません。
ワッペン・コミックラベル・ファスナー・縫製と合わせて見ます。
公式サイトで認証コードが通れば、買い取っていいですか?
照会が通ることは入口です。
本物の番号を写したタグが付いた品がある、という指摘があります。
ほかの見る所と合わない時は、迷った品として扱います。
お客様に偽物ですかと聞かれたら?
偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外です、と伝えます。
店が出すのは店の基準での判断で、ブランドの鑑定ではないためです。
真贋の点で基準外と分かった品を、業者のオークションに出せますか?
出しません。
登録商標を付けた偽物を、売る・渡す・輸出するために持つことは、商標権の侵害とみなされます(商標法 第37条第2号)。
疑いのある品も売りに出しません。

