
先に結論
この記事の結論
- シャネルは、偽物が年々精巧になり、見る所も年式やモデルで変わる。1つの資料や1か所だけで決めない
- 単価が高く、間違えた時の痛手が大きい。怖さから安く出すと、キャンセルと悪い評判につながる
- 迷った品は、その場で値段を言わない。預かり書を書いてもらうか、写真でその商材の専門業者に聞く
- 買えない時は偽物と言わない。当社の査定基準で基準外、と伝える
シャネルの真贋で迷った時は、その場で値段を言わず、決めた順に見て、決められない品は預かるか、写真で専門業者に聞きます。
この記事は、品物を買い取る業者の方に向けて書いています。
持ち主の方が自分の品を確かめるための記事ではありません。
定番のマトラッセのほか、新しいモデルも次々に出ます。
店頭のスタッフが、迷った時に同じ順番で動けるようにまとめました。
なお、偽物の見分け方を細かく並べる記事ではありません。
見る所は入口だけを書き、迷った時にどう動くかを主役にしています。
迷う理由と悪い流れ
年々、偽物は精巧に作られ、見破るのが難しくなっています。
シャネルのような品は、見る所も年式やモデルで変わってきています。
古い資料のまま見ると、外れることがあります。
新しいモデルも、次々に出ます。
そのうえ、単価が高い品です。
貴金属や時計、ブランドバッグの相場が上がっている今は、間違えた時の痛手がさらに大きくなります。
高い品ほど、損の額は大きく、利益は少なくなりがちです。
この怖さから、店は買取価格を安くしてしまいます。
すると、悪い流れが始まります。
- 怖くて安く出す間違えるのが怖く、見立てより安い値段を言う。
- お客様がキャンセルする思ったより安いため、持ち帰られる。
- 悪い評判が立つあの店は安い、と伝わる。
- 持ち込みが減る次の機会が、ほかの店に流れる。

付属もそろってる…大丈夫かな?

付属がそろっていてもそれだけでは決めません
安く出す代わりに、値段を言う前に見立てを取る。
これが、この流れを止める一番の方法です。
当社の査定基準で基準外と判断した品

店頭で見る所は5つの入口
下の表は、判断基準の一覧ではなく、見る入口です。
モデルや年代で作りが変わるので、どれか1つが気になっても、そこで決めません。
5つを合わせて見ます。
| 見る所 | 何を見るか | 写真の撮り方 |
|---|---|---|
| ① キルティングと縫い目 | ひし形の柄の合い方・ステッチのそろい・革の張り | 正面と背面を、全体が入る距離で |
| ② ロゴの金具 | ココマークなどの刻印・仕上げ・重さ・色 | 金具の寄りを、表と裏で |
| ③ チェーンと革の通し方 | チェーンの太さと重さ・革の巻き方・つなぎ目 | つなぎ目と留め具の寄り |
| ④ 内側の刻印・シール・カード類 | 年式で形や付き方が違う。1つ見て決めない | 内側の表示を全部。文字が読める寄りで |
| ⑤ 付属品 | 保存袋・箱・カードなど。参考にとどめる(後から足せる) | 付属品を並べた1枚 |
内側の表示や付属が無くても基準外とは限らない
内側の表示や付属品は、年式によって、形も付き方も違います。
無いことだけで、基準外にはしません。
反対に、付属が全部そろっていても、それだけでは決めません。
解説の資料は、書いた店や時期で内容が食い違うことがあるため、1つの資料に頼らず、ほかの4か所と合わせて見ます。

1か所だけで決めず、5つ全部を合わせて見ます
迷った時はその場で値段を言わない
迷ったまま値段を言うと、後で下げる時にもめます。
店頭で迷った時は、次の流れで進めます。

1迷った品が来た
25つの入口を全部見る1か所だけで決めない
店の基準で値段を伝える見慣れた品は、いつも通りに
その場で値段を言わない
- お預かりにする
- 写真で専門業者に聞く
- 今回は見送る

買えない時は偽物と言わず「当社の査定基準で基準外」と伝える
いいえの時は、次の3つのどれかにします。
- お預かりにする預かり書を書いてもらい、連絡の方法と、何日以内に連絡するかを、その場で話します。
- 写真で専門業者に聞く下の撮り方で撮って、その商材の専門業者に見てもらいます。見立てと値段がそろってから、お客様に伝えます。
- 今回は見送る店の基準で決められない時は、理由を添えてお返しします。言い方は、この下の章に書きました。
写真で専門業者に聞く時の撮り方
写真で聞く時は、相手が実物を手に取れません。
撮った写真がすべてです。
次の順番で撮ると、同じことを聞き返されずに済みます。

撮る場所は、アプリが案内します
- 商材を選ぶ衣類・バッグ・時計・筆記具・ライターなど
- 案内の順に撮る撮った所の名前が写真の下に付く
- 足りない所が分かる「まだ撮っていない所」に残りが出る
- 全体の正面・背面・底床ではなく、平らな壁の前で。形が崩れないように置きます。
- キルティングと縫い目の寄りひし形の柄の合わせ目と、気になる縫い目を寄りで。
- ロゴの金具ココマークなどを寄りで。表と裏。
- チェーンとつなぎ目革の巻き方が分かる寄りで。
- 内側の表示を全部刻印・シール・プレート・カードがあれば、文字が読める寄りで。
- 傷・汚れ・におい角のすれ・内側の汚れは寄りで。においはメモで添えます。

撮るのは1枚に1か所。白い明かりで
撮る時は、昼の窓の近くか、白い明かりの下で撮ります。
黄色い明かりは、色味が変わって見えます。
ピントが合っているかを、撮った後に指で広げて確かめます。
査定お任せくんでは、専門業者が足りない写真を頼む時、撮る場所(正面・背面・内側・ロゴ・刻印・金具・傷や汚れなど)を選んで送ります。
店は、頼まれた所だけを撮り足せば済みます。
基準外の時の店の対応
基準外の時に一番もめるのは、言い方です。
お客様は、基準外と言われると、偽物だと言われたと受け取りがちです。
ブランド品が本物かどうかを最終的に判断できるのは、ブランド自身です。
店が出すのは、店の基準での判断です。
だから偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外、と伝えます。
| 場面 | 伝え方の例 |
|---|---|
| 真贋の確認がつかない | 当社の査定基準で、確認がとれない所がありました。今回は買取をお受けできません。 |
| 傷みや付属で基準に届かない | 傷みが、当社の基準を超えています。今回は買取をお受けできません。 |
| 真贋の理由を詳しく聞かれた | どの点が基準に届かないかは、店の基準なのでお伝えしていません。メーカーの判断ではありません。 |

偽物ですか?と聞かれたら…

偽物とは言わず、当社の基準で基準外と伝えます
基準外の品を、うっかり買い取ってしまった時は、返金の対応をします。
悪質な場合は、警察に相談することもあります。
不正品の疑いがある時と、買い取った後に気づいた時
古物商は、買い受けや交換・委託を受ける時に、不正品(盗品などの疑いの品)の疑いがあると認めたら、直ちに警察官に申告する決まりです(古物営業法 第15条第3項)。
偽物の疑いの品をどう扱うかは、管轄の警察署の防犯の係に前もって確かめておくと迷いません。
買い取った後に、真贋の点で基準外と判断した品は、売りに出しません。
もし登録商標またはこれに類似する商標を付けた偽物であれば、売る・渡す・輸出するために持つことは、商標権の侵害とみなされることがあります(商標法 第37条第2号)。
疑いのある品も売りに出しません。
専門業者につなぐ流れ
シャネルを見慣れていない店で、全部を自分で決める必要はありません。
迷った品だけを、その商材に強い専門業者に写真で聞けば、店は安く出さず、見送らずに済みます。
査定お任せくんの画面で見る流れ
1写真を送る

撮る場所はアプリが案内
2専門業者が真贋と値段

その商材に強い専門業者が写真で見る
3選んで卸す

売り先を探さずそのまま専門業者へ
査定お任せくんは、買取店が撮った写真を、その商材の専門業者がオンラインで見る仕組みです。
商材によって、当社の基準で基準内か基準外かの見立てと、確かめた所が届きます。
値段も同じ画面に届きます。
売ると決めたら、その専門業者にそのまま送れるので、売り先を自分で探さなくて済みます。
見立ては専門業者の意見で、ブランドの公式の鑑定ではありません。
3つの動き方を並べます。
| 比べる軸 | 安く出して様子を見る | 専門業者に写真で聞くお任せくん | 店のスタッフだけで決める |
|---|---|---|---|
| 真贋を誰が見るか | 店の判断のまま | その商材に強い専門業者 | 店のスタッフ |
| お客様への影響 | 安い値段で、キャンセルや悪い評判になりやすい | 見立てと値段がそろってから伝えられる | 見慣れていないと、判断に時間がかかる |
| 売り先 | 自分で探す | 値段を付けた専門業者にそのまま売れる | 自分で探す |
| 返事の届き方 | なし | いつものチャットのように届く | その場で決める |
真贋を外の力で確かめる方法の比べ方は、真贋鑑定・真贋判定の選び方にまとめました。
目利きのためにフランチャイズに入る前に考えたい方は、こちらの記事もどうぞ。
いま依頼できる商材は限られています
いま依頼できるのは、専門業者が決まった商材だけで、まだ多くありません。
専門業者がそろった商材から、先行登録の順にご案内しています。
よくある質問
シャネルのシリアルシールやカードが無いと、買い取れませんか?
無いことだけで基準外とは決めません。
年式によって付き方が違います。
そろっていても、それだけでは基準内とは言えません。
ほかの見る所と合わせて見ます。
シャネルの真贋で迷った時、店頭ではどうしますか?
その場で値段を言わず、預かり書を書いてもらって預かるか、写真でその商材の専門業者に聞きます。
見立てと値段がそろってから、お客様に伝えます。
お客様に偽物ですかと聞かれたら?
偽物とは言わず、当社の査定基準で基準外です、と伝えます。
店が出すのは店の基準での判断で、ブランドの鑑定ではないためです。
シャネルを安く出して様子を見るのはだめですか?
おすすめしません。
怖さから安く出すと、お客様がキャンセルし、悪い評判が立つことがあります。
迷った品は、値段を言う前に見立てを取ります。

