
先に結論
この記事の結論
- 買取後に基準外と分かった時の返品・返金は、買い取る時の書面に、先に書いておくともめにくい
- 書面に入れるのは6つ。対象になる場合・期間・判断の根拠・返すもの・返金の方法・連絡がつかない時
- 書き方は、偽物とは書かず、当社の査定基準で基準外とする。お客様に署名をもらい、控えを渡す
- 条項の書き方は、弁護士に確かめる。迷う品は、買う前に専門業者に聞く
買取後に基準外と分かった時にもめないためには、買い取る時の承諾書や契約書に、返品・返金の約束を先に書いて、お客様に署名してもらいます。
口で伝えただけでは、後で言った言わないになりやすいからです。
この記事は、買取店・古物商の方に向けて書いています。
買取店・古物商が、買取の書面に返品・返金の約束を入れる時の考え方をまとめました。
法律の助言ではなく、書面を作る時の整理です。
条項の書き方は、最後に弁護士に確かめてください。
口約束だともめやすい
当社の店では、基準外の品を買ってしまった時は、返金の対応をしています。
品をお戻しして、支払った分を返してもらう形です。
ただ、この話をお客様に伝えるのが、買った後になると難しくなります。

買ってから基準外と分かった…

先に書面で約束してあれば、話が早い
買い取る前に、「後で基準外と分かった時はこうします」と書面で伝えておけば、基準外が分かった後の話が、約束の確認から始められます。
当社の査定基準で基準外と判断した品

書面に入れる6つのこと
次の6つを決めて、書面に入れます。
言葉は、偽物とは書かず、当社の査定基準での判断として書きます。
私たちはブランド自身ではないので、本物か偽物かまでは言えないからです。
| 入れること | 決めること | 書き方の考え方 |
|---|---|---|
| ① 対象になる場合 | どんな時に、返品・返金になるか | 「当社の査定基準で基準外と分かった時」と書く。偽物とは書かない |
| ② 期間 | 買取から、いつまで申し出るか | 期間を区切るなら、日数をはっきり書く。日数は店の判断なので、弁護士に確かめる |
| ③ 判断の根拠 | 誰が、何を見て基準外とするか | 専門業者の見立てなど、見た所を示す。店が一方的に決める書き方は、争いのもとになりやすい |
| ④ 返すもの | 品物と代金 | 品物をお戻しして、お支払いした代金を返してもらう形にそろえる |
| ⑤ 返金の方法 | 方法・期日・費用 | 振込か現金か、いつまでか、振込の手数料はどちらが持つか |
| ⑥ 連絡がつかない時 | 届け出の連絡先に通じない場合 | 書面(郵便など)で連絡する、と書く。それでも応じない時は、警察や弁護士に相談する |
書き方の見本を、下に置きました。
そのまま使うものではありません。
〇の所は店が決め、弁護士に見てもらってください。
書き方の見本
お買取した品物が、お買取後に、当社の査定基準で基準外と判明した場合、当社はお客様に、その旨と理由をご連絡します。
その場合、お客様には品物をお戻しいただき、当社はお支払いした代金を、〇日以内にお返しします。
ご連絡は、お客様がお届けの連絡先に差し上げます。
入れる時の3つの注意
書面を作る時は、次の3つを守ります。
- 説明・署名・控えの3点買い取る前に、口頭でも読み上げる。署名をもらい、控えをお客様に渡す。書面だけで済ませません。
- お客様に一方的に不利な書き方にしない事業としてではなく売る個人のお客様との契約には、消費者契約法が当てはまります。民法などの任意規定より消費者の義務を重くし、信義則に反して一方的に害する条項は無効です(第10条)。契約の解除に伴う損害賠償・違約金を決める条項は、事業者に生じる平均的な損害を超える部分が無効です(第9条第1号)。返品の約束に、違約金などを重ねる時は、特に弁護士に確かめます。
- 出張買取は、別の決まりもある出張買取は、特定商取引法の訪問購入にあたる場合があります。あたる場合は、書面を受け取った日から8日、お客様が契約をやめられます(第58条の14)。対象の物品・取引の範囲には除外があります(第58条の4・第58条の17)。自店の出張買取が当てはまるかは、弁護士に確かめてください。
3つ目を、買取のしかた別に整理します。
| 買取のしかた | 見る決まり | 返品・返金の書面との関係 |
|---|---|---|
| お客様が店に持ち込む | 消費者契約法など | この記事の書面に、6つのことを入れる |
| 店の外で契約する(出張買取) | 上に加えて、場合により特定商取引法の訪問購入 | 訪問購入にあたる場合は、書面を受け取った日から8日は、お客様が契約をやめられる(クーリング・オフ・同法 第58条の14) |
出張買取では、書面の交付も決まっています(同法 第58条の8)。
クーリング・オフの間は、違約金や損害賠償を請求できません(第58条の14第4項)。
返品の書面で変えることはできません(同条第6項)。
出張買取をする店は、この点を弁護士に確かめてください。
基準外が分かった後の動き方
書面を入れても、基準外が分かった時の動きは変わりません。
売りに出さずに保管し、記録をそろえ、お客様に連絡し、返金の対応をします。
悪質な場合は、警察に相談します。
順番と記録の残し方は基準外の品を買い取ってしまった時にすることに、お客様への言い方は「基準外」をお客様に伝える言い方にまとめました。
返金した時に、品物をお戻しした記録も、取引の記録と一緒に残しておくと、後で確かめられます。
弁護士に聞く時の持ち物
条項の書き方は、店の商材・買取のしかた・お客様の層で変わります。
弁護士に聞く時は、次を持っていくと話が早くなります。
- いま使っている買取の承諾書・契約書(なければ、口頭で伝えている内容のメモ)
- 過去に基準外でもめた場面と、そのやりとりの記録
- 主に扱う商材(ブランド品・貴金属など)
- 出張買取をしているかどうか

どこまで書面に書けばいいの?

まず今の承諾書を持って、弁護士に聞きます
そもそも買う前に外の目を入れる
書面で後始末の約束をしておくのは大事です。
それでも、基準外を買わないに越したことはありません。
迷った品だけを、買う前に、その商材に強い専門業者に写真で見てもらうと、買ってから困る場面が減ります。
査定お任せくんの画面で見る流れ
1写真を送る

撮る場所はアプリが案内
2専門業者が真贋と値段

その商材に強い専門業者が写真で見る
3選んで卸す

売り先を探さずそのまま専門業者へ
査定お任せくんは、買取店が撮った写真を、その商材の専門業者がオンラインで見る仕組みです。
商材によって、当社の基準で基準内か基準外かの見立てと、確かめた所が届きます。
値段も同じ画面に届き、売ると決めたら、その専門業者にそのまま送れます。
売り先を自分で探さなくて済みます。
見立ては専門業者の意見で、ブランドの公式の鑑定ではありません。
お任せくんの画面で、返品や返金の書面を代わりに作るものでもありません。
いまは先行登録の受付中で、ベータ版の料金は月6,980円(税別)、先着30店までです。
いま依頼できるのは、専門業者が決まった商材だけで、まだ多くありません。
よくある質問
買取後に偽物と分かった時の返品を、契約書に入れてよいですか?
入れる店はあります。
偽物と書かず、当社の査定基準で基準外と分かった時、と書く形が考えやすいです。
期間・返す物・返金の方法も決めます。
条項の書き方は、弁護士に確かめてください。
返品・返金の約束は、口頭だけでも有効ですか?
口頭だけだと、後で言った言わないになりやすくなります。
書面にして、お客様に署名をもらい、控えを渡す形が安心です。
基準外と分かった時、お客様に違約金を取れますか?
事業としてではなく売る個人のお客様との契約には消費者契約法が当てはまり、契約の解除に伴う損害賠償・違約金を決める条項は、事業者に生じる平均的な損害を超える部分が無効です(同法 第9条第1号)。
信義則に反して一方的に害する条項は無効です(第10条)。
取る場合は、弁護士に確かめてください。
出張買取でも、返品・返金の書面で足りますか?
足りない場合があります。
出張買取は、特定商取引法の訪問購入にあたる場合があり、あたると、書面を受け取った日から8日は、お客様が契約をやめられます(クーリング・オフ)。
返品の書面で、この8日を変えることはできません。
自店が当てはまるかは、弁護士に確かめてください。
弁護士に相談する時は、何を持っていけばよいですか?
いま使っている承諾書や契約書、過去に基準外でもめた時のやりとりの記録、主に扱う商材、出張買取をしているかどうか、を持っていくと話が早くなります。
基準外の品を、そもそも買わないようにする方法はありますか?
迷った品だけを、買う前に、その商材に強い専門業者へ写真で見てもらう形があります。
査定お任せくんは、その役を専門業者につなぐ仕組みです。
いま依頼できるのは、専門業者が決まった商材だけで、まだ多くありません。

